僕はクルマを所有するうえで最も重要なことはエンジンオイルの管理である、と思っている。なぜなら、このエンジンオイルの管理が悪いとクルマはしだいに調子を落としていってしまうことになるからだ。具体的にはパワーダウン、燃費の悪化、ノイズの増加、耐久性の低下などが起きてくる。そしてなにより怖いのは突然のトラブルだろう。例えばエンジンが焼き付きを起こしてしまえば、クルマは走行不能となってしまう。焼き付き、という言葉にピンと来ない人もいるかもしれないが、これは人間で言えば心筋梗塞を起こして倒れてしまったようなものである。
エンジンはクルマの心臓、と呼ばれることがあるが、まったくその通りだと思う。いや、その通りどころかそもそも僕はエンジンは機械ではなく心臓そのものだと思っている。クルマは動物であり、エンジンは心臓、そしてエンジンオイルは血液。そう思うのだ。例えば人間の血液は悪玉コレステロール値が高くなると心筋梗塞などのリスクが高まる。心筋梗塞とは心臓の血管に血栓ができて血液が流れなくなるために起こる病気だが、これは先ほども述べたようにエンジンの焼き付きと非常によく似ているのである。焼き付きはオイルの汚れがひどかったり、オイルの中にスラッジの量が多くなってしまうことによって起こる(オイル量の不足という要因もある)。要するに汚れによって細部にオイルが十分に行き渡らなくなってしまったり、あるいはスラッジがオイルラインや部品と部品の隙間、いわゆるクリアランスに詰まることによってオイルで潤滑できなくなってしまうために起こるものなのだ。早い話、スラッジが血栓になるのである。
それでも、動物には腎臓という優れた臓器が備わっているからまだいい。さすがに血栓の除去は無理だが、血液の汚れは腎臓が自動的にろ過してきれいにしてくれるのである。腎臓があるからこそ動物は血液の汚れというリスクからは解放されているのだが、残念ながらエンジンには腎臓のような機能が備わっていないため、エンジンオイルはこの汚れというリスクを常に背負い続けることになる。つまり、エンジンオイルはエンジンに注入した直後から汚れや酸化によって劣化が進行していく。動物の血液のように再びきれいになることは決して無いのである。だからオイル管理というものが重要であり、なおかつオイル交換という作業が必要になってくるのだ。ちなみにエンジンには一応オイルフィルターというものが備わっているのだが、これは汚れの進行を遅らせるためのもの。腎臓のようにオイル(血液)をきれいな状態に戻してくれているわけではない。
ついでに付け加えると、人間も腎臓の機能が失われてしまえば、オイル交換と似たような作業が必要になってくる。腎臓の機能が失われることを腎不全、と呼ぶのだが、この腎不全になると人工透析というものをしなければならない。人工透析とは腎不全患者の血液を外部の機械に送り、機械によって血液をきれいにする。そしてきれいになった血液を再び体内へと戻す、というもの。交換こそしないが、理屈はオイル交換とほぼ同じなのである。前にも述べたが僕は生まれてすぐに腎臓病(ネフローゼ症候群)を発症しているから、ここらへんのことも詳しい。幸い腎不全まで病状は悪化しなかったために人工透析を必要とすることはなかったのだが。
エンジンとエンジンオイルは心臓と血液の関係にとてもよく似ている。繰り返すが、クルマは動物なのである。冒頭でオイル管理が悪いとクルマはパワーダウン、燃費の悪化、ノイズの増加、耐久性の低下などが起きてくる、と書いたが、これらはそれぞれ体力の低下、疲れやすさ、動悸、そして寿命、と表現することができる。オイル管理を怠ると、エンジンはしだいに様々な『疾患』を抱えるようになるのである。
エンジンはクルマの心臓、と呼ばれることがあるが、まったくその通りだと思う。いや、その通りどころかそもそも僕はエンジンは機械ではなく心臓そのものだと思っている。クルマは動物であり、エンジンは心臓、そしてエンジンオイルは血液。そう思うのだ。例えば人間の血液は悪玉コレステロール値が高くなると心筋梗塞などのリスクが高まる。心筋梗塞とは心臓の血管に血栓ができて血液が流れなくなるために起こる病気だが、これは先ほども述べたようにエンジンの焼き付きと非常によく似ているのである。焼き付きはオイルの汚れがひどかったり、オイルの中にスラッジの量が多くなってしまうことによって起こる(オイル量の不足という要因もある)。要するに汚れによって細部にオイルが十分に行き渡らなくなってしまったり、あるいはスラッジがオイルラインや部品と部品の隙間、いわゆるクリアランスに詰まることによってオイルで潤滑できなくなってしまうために起こるものなのだ。早い話、スラッジが血栓になるのである。
それでも、動物には腎臓という優れた臓器が備わっているからまだいい。さすがに血栓の除去は無理だが、血液の汚れは腎臓が自動的にろ過してきれいにしてくれるのである。腎臓があるからこそ動物は血液の汚れというリスクからは解放されているのだが、残念ながらエンジンには腎臓のような機能が備わっていないため、エンジンオイルはこの汚れというリスクを常に背負い続けることになる。つまり、エンジンオイルはエンジンに注入した直後から汚れや酸化によって劣化が進行していく。動物の血液のように再びきれいになることは決して無いのである。だからオイル管理というものが重要であり、なおかつオイル交換という作業が必要になってくるのだ。ちなみにエンジンには一応オイルフィルターというものが備わっているのだが、これは汚れの進行を遅らせるためのもの。腎臓のようにオイル(血液)をきれいな状態に戻してくれているわけではない。
ついでに付け加えると、人間も腎臓の機能が失われてしまえば、オイル交換と似たような作業が必要になってくる。腎臓の機能が失われることを腎不全、と呼ぶのだが、この腎不全になると人工透析というものをしなければならない。人工透析とは腎不全患者の血液を外部の機械に送り、機械によって血液をきれいにする。そしてきれいになった血液を再び体内へと戻す、というもの。交換こそしないが、理屈はオイル交換とほぼ同じなのである。前にも述べたが僕は生まれてすぐに腎臓病(ネフローゼ症候群)を発症しているから、ここらへんのことも詳しい。幸い腎不全まで病状は悪化しなかったために人工透析を必要とすることはなかったのだが。
エンジンとエンジンオイルは心臓と血液の関係にとてもよく似ている。繰り返すが、クルマは動物なのである。冒頭でオイル管理が悪いとクルマはパワーダウン、燃費の悪化、ノイズの増加、耐久性の低下などが起きてくる、と書いたが、これらはそれぞれ体力の低下、疲れやすさ、動悸、そして寿命、と表現することができる。オイル管理を怠ると、エンジンはしだいに様々な『疾患』を抱えるようになるのである。





